DIY電脳

手持ちのレガシー機器を活かし4.1chサラウンドのホームシアターを構築。旋律に戦慄

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コロナ禍でDAZNやアマゾンプライムを利用するようになったら、より良い環境で動画を視聴したい欲求が次第に膨らんできました。
その欲求をこのたび、ようやくホームシアター構築として具現化することが出来ました。

準備から完成まで2年がかりとなりましたが、その経緯を記事化します。

以前から家にあったレガシー機器

コロナ禍以前に、家には既に次のような音響機器がありました。

これら音響機器は、最近までは主に2chステレオのオーディオオンリーで使ってましたが、実はそれ以前にも何度かホームシアターを志したことがありました。

AVアンプ:Pioneer VSX-D511

20年ほど前に家電量販店のセールで見かけ、即買いしたものです。
2万円弱という激安だった記憶があります。

5年ほど前に一度電源が入らない故障で修理に出しましたが、修理後は正常稼働しています。

フロントスピーカー:Pioneerの密閉型(型番不明)

上記の写真にある巨大なスピーカーです。

ごのスピーカー、ブランドはたまたまアンプと同じですが入手経路は違います。
このスピーカーは35年ほど前に当時の友達から「買い替えたので不要になった」と頂いたものです。
なので相当に古いものだと思いますが、いまでも低音から高音まで幅広い音を自然に鳴らしてくれます。

リアスピーカー:SONY SS-X1A

AVアンプ購入と同時期の20年ほど前に、4chサラウンドを試そうと実家から持ってきたものです。

これらに加えて

液晶プロジェクタ:ELP-52

入手時期はAVアンプの購入と同時期だったような気がします。

当時プロジェクターが非常に高額だった時代に、お取引先から「10万を切る価格」での提案があり、安い買い物ではありませんでしたが頑張って個人で買ったものです。

このプロジェクターは個人所有物ですので、当初はこれを

普段は主に家でホームシアター用にして
ときどき持ち出して仕事でプレゼンに使う

つもりでした。

スクリーン代わりとしてホームセンターで、特売のロールスクリーンと、メーター買いした白いビニールのテーブルクロスを貼り合わせて、家に据え付けていました。

20年前、最初のとん挫

しかし現実はこのプロジェクターをほぼ100%仕事用に使ってしまい、結局家に持ち帰ることはありませんでした。
救いは、仕事用としては十分以上にモトがとれた、この上ないフル稼働ぶりだったことです。

そのうちランプが寿命を迎え、この10年は出番もなく安眠していました。

コロナ禍の2021年、アマゾンプライムに加入

2年前コロナ禍の真っただ中、アマプラに加入しました。
言わずもがなですが素晴らしいサービスですね。

アマプラ加入で

久しぶりにホームシアターを構築したくなってきました。

そこで2021年当時、

まずはスクリーンを購入しました。

選んだサイズは60インチです。
自作のテーブルクロス・ロールスクリーンとほぼ同じ大きさです。

2021年当時でも5,490円でしたが、今も同じ価格ですね。

続いて手持ちのアンプ・スピーカーをワイヤレスにしようと

Bluetoothオーディオレシーバーも購入。

この品はすでにアマゾンでは廃番になっていますが、2021年当時のアマゾンでは2,596円でした。

最後に、すでにランプ寿命の尽きたプロジェクターELP-52を復活させるため

AliExpressで格安交換ランプを買いました

プロジェクターの交換ランプって高いんですよね。
AliExpressで、ランプ単品のブラケットなど既存品を流用するタイプを見つけました。
価格は2千円弱だったと記憶してます。

交換ランプを組み込み、新しいランプに変わったプロジェクターを永い眠りから点灯させました。

2年前、2度目のとん挫

しかし久しぶりに見た古いプロジェクターの画面は、ホームシアターとしては実用出来ないと感じました。
明るさは明るいんですがコントラストがなく、黒いはずの部分まで明るい絵面です。
また800×600ですので粗さも気になります。
昔のプレゼン用途には問題なくても、これではアマプラ視聴用のホームシアターとしてはボトルネックです。

だからといって別のプロジェクターを購入するのはさすがに躊躇。

ホームシアター計画は再び中断し、さらに時は過ぎました。

別のプロジェクターを購入しホームシアター計画再始動

昨年のブラックフライデーにこのようなものを買いました。

Fire TV Stick 4K Maxです。

ブラックフライデー価格で3,980円でした。
これを当初は普通のテレビに接続して楽しんでいました。

その昨年から今年にかけて面白いアニメが目白押し。

この歳になってアニメにハマるとは思いもよりませんでした。
妻には「歳取ってかかるはしかは重くなる」と一句詠まれました。

アニメをホームシアターで見てみたい欲求が嵩じ、ついに先日

新しいプロジェクターを買うことを決めました。

以前のプロジェクターですと高解像度な入力端子はPC用のVGA端子に限られますので、配線するならPCとの間でVGAケーブルを取り回すという大掛かりなものになります。
しかし近年のプロジェクターはHDMI端子がデフォルトでFire TV Stickを使えばPC不要だし、何ならWiFi経由でスマホの画面共有も可能です。
そのうえ光源はLEDで省電力。

自分への誕生日プレゼントです。
クーポン適用して8,890円でした。

Fire TV StickはプロジェクターのHDMI端子にそのまま差せます。

またFire TV StickのUSB給電にはプロジェクターのUSB端子を使えますので、プロジェクターまでUSB電源を引いてくる必要もありませんでした。

天井配線はとりあえずこんな感じにしました。

仮の配線ですので、そのうち

天井に有線LANケーブルを和風に配線してみた
1月ほど前に部屋の模様替えをした際に、有線LANケーブルを這わせる必要が出てきましたので、 こんな感じで天井に這わせてました。 しかし、完全な和室ではありませんが和風の部屋に、流石にこれでは殺風景だなあと感じたので、自作で工場などに良くあるようなケーブルラ...

なようにきれいに配線しなおします。

天吊り金具はこちらを買いました。
1,600円です。

2年前に買ったBluetoothオーディオレシーバーをAVアンプに接続し、Fire TV StickとのBluetooth接続を試みました。
ずるとFire TV Stickに「SANWU Audio」と表示され無事に接続でき、スピーカーから音が鳴り始めました。

BluetoothオーディオレシーバーのUSB給電は、AVアンプ裏にある連動電源に接続しています。

アマゾンプライムを視聴してみました。

画質は想像以上に素晴らしかったです!

新しいプロジェクターのインプレは、手持ちの古いELP-52との比較なので低いボーダーですが

  • 解像度が高くドットの網が気になりません。
  • コントラストが高く、黒がちゃんと黒くなっています。
  • 私が未体験で唯一心配だったLED光源の明るさも、私の環境では充分明るいです。

古いプロジェクターの交換純正ランプよりはるかに安い価格で、より良い画質が得られることができ、満足した買い物となりました。

またサウンドも、きちんとBluetoothでアンプに飛んだ音がサラウンドしています。
ただ1点の課題は、AVアンプ側で様々なサラウンド効果を変えて試してみると、一部極めて不自然な音響になってしまうことです。
フロント左右をメインにしたサラウンドモードだと不自然さが弱くなることから、この不自然さはセンタースピーカーがない状態が原因と考えました。

そこで、ホームシアター構築作業の最後は

センサースピーカーの自作

です。

このような場合、通常はサウンドバーのようなものを買う場面だと思います。

しかし手元にはちょうど秋月の

P-06275
F77G98-6
8Ω10W広帯域用スピーカー

が2個転がってることを思い出しました。
だいぶ前に2個500円で買ったものです。

今がこのユニットを活かすチャンスです。

MDF材を寸法に合わせて6面に切り落としたのち、正面の開口部をジグソーで開けます。

切り口が波打ってますが、MDFですのであとでカッター程度の刃で整形可能です。
はみ出さないようにだけ注意すればよいと思って切りました。

端子接続部分をドリルと彫刻刀で穴あけ。

なぜか端子も家に転がってました。

木工用ボンドとコーナークランプで各面を接着。

接着には大体3-4時間ほど待ちました。

配線。
ハンダと熱収縮チューブの出番です。

AVアンプの許容インピーダンスが6-16Ωでしたので、並列ではなく直列に配線して16Ωとしました。
並列にすると4Ωとなるはず。

一旦完成。

出来ればスピーカー固定部にガスケットを付けたいのですが、これはいつか良い素材が見つかったら施すことにします。

自作したセンタースピーカーを設置して4.1chで視聴してみました。

これはもう最高です!

左下にAVアンプの表示部、スクリーン下にうっすらと自作センタースピーカー天板が見える画像です。

「ぼっち・ざ・ろっく!」のこのシーンは、初ライブのアウェイ感から不安と心細さがバンドに立ち込めてきますが、内向的なはずのぼっちが直情的な決心でアドリブソロをぶちかまし打開を図る名場面です。
そのうえ歌詞が「ほかに何も聴きたくない私が放つ音以外」!
とうとう最初は斜に構えてたモブ客まで引きずり込まれてしまい、盛り上がりのスイッチが入った瞬間のカットがこの画像です。
この大変カッコいいシーンの臨場感がセンタースピーカーのおかげで、最初に視た時に感じた戦慄を蘇らせました!

このシーンは照明の明滅の激しさも、コントラストの高いプロジェクターが部屋全体を明滅させ、音響と相まってあたかもライブ会場にいるようです。
来春には劇場版が公開されますが、映画館で観る凄さが想像でき、今から期待が高まりました。

構築に要した費用

スクリーン・60インチ5,490円
Bluetoothオーディオレシーバー2,596円
Fire TV Stick 4K Max3,980円
LEDプロジェクター・1080P8,890円
プロジェクター天吊り金具1,600円
センタースピーカーユニット(2個)500円

合計23,056円で4.1chサラウンドのホームシアターが完成しました。

あとはこれにサブウーファーを足せば5.1chになります。
しかし重低音はすでに巨大なフロントスピーカーで足りており、サブウーファーの必要性を感じないほど満足しています。

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