先日、GEM片刃のカミソリを使った際に、替刃は

手持ちのスクレーパー用を使いました。
このとき、上の写真とは別の、手持ちのもう一本のスクレーパーの存在を思い出していました。
KTC ステッカースクレーパー、KZS-40
このKTCスクレーパーも上記のスタンレースクレーパー同様に、10年ほど前に店舗開設準備の時に買ったと記憶しています。
替刃ががっちりと固定されるので、店舗開設作業に大いに役立ちました。
ただしこのKTCスクレーパー、替刃のサイズが一般的なスクレーパーのGEM刃と違って独特な仕様となっています。
この替刃の仕様についてはこれまで特に気にも留めず、他の規格との互換性について考えたことは一度もありませんでした。
しかしこのたびGEM刃でひげをそった際、ふと
「そういえばKTCスクレーパーの替刃の形、最近どこかで目にしたような気が…」


もしかしてこのKTCスクレーパーの規格って、Valet刃の規格では?
という閃きが降りてきました。
KTCスクレーパーの替刃と、Valet替刃を比較してみた
並べてみました。
左上がフェザー・ハイステンレス、右上はフェザー青函。
左下がKTCスクレーパー替刃、右下はVALET刃です。
刃幅 | 高さ | 刃厚 | |
---|---|---|---|
ハイステンレス FHS-10 | 39.3 | 18.4 | 0.23 |
青函 FAS-10 | 39.3 | 18.4 | 0.245 |
スクレーパー替刃 KZS-4010 | 39.5 | 18.5 | 0.25 |
(単位:mm)
刃の縦横はいずれも1mm以下の差で、厚さは青函と比べると0.005mmの差しかありません。
かなり近いサイズなので完全互換を期待しましたが、
刃を引っ張る方向にはギリギリで留め金から外れてしまいました。
刃背の長さはフェザーの青函・ハイステンレス共に若干短いことが原因です。
なお昔のVALET刃だと刃背の長さは刃線長と同じなので、引っ張っても押してもずれることはありませんでした。
ただしスクレーパーは、刃を押しこめる方向、猫が爪をひっこめる方向に力をかける使い方をします。
その刃を押し込める方向だと
この写真のようにずらしても留め金にちゃんと引っ掛かるので、刃がこれ以上押し込まれることはありませんでした。
ハイステンレスを付けてカバーをねじ止めすると、刃はしっかりと圧着固定されます。
しかしこのスクレーパーの用途は過大な力がかかるので、この圧着で固定されたとはみなさない方が良いでしょう。
結論としては、KTCスクレーパーKZS-40の替刃として、現行フェザー片刃は互換とは言えず、自己責任で使用する際は注意が必要、ということです。
KTCスクレーパーでウェットシェービング
VALET刃の装着が可能なら、スクレーパーの刃で顔を剃ることも可能?ついでにホルダーもスクレーパーそのものを使って…
というしょーもないことを思いついてしまいました。
注意!ここで行ったことは自己責任で自分だけに試したことです。マネしないようにお願いいたします。
スクレーパーでひげを剃る、という企てを実行してしまいました。
肌に対する刃の角度維持のため、スクレーパー使用時とは逆の裏側で剃りました。
剃れましたよ…
当然ですが、持ちづらいので捌き辛かったです。
ただし重量があることで安定感は想定以上でした。
そして刃の角が当たると痛い。
刃渡りがもうちょっとあれば実用可能なレベルです。
本レザーや安全カミソリとは髭剃り用に最適化されたもの、ということをあたらめて実感しました。
やっぱり危ないので実験は順剃りだけにとどめ、逆ぞりはサムライエッジで仕上げ。
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