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3Dプリンタ「Ender3」を2度目のダイレクト化

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つい先月、せっかく一度ダイレクト化してた3Dプリンタを、一旦元のボーデン式に戻していました。

改造した3Dプリンタを元のボーデン式に戻す
以前一度ダイレクト化・オートレベリング化したEnder3。いくつかの理由で元のボーデン式に戻しました。一つめの理由は整備性を改善するためです。このような構造でしたので、ホットエンドがノズル詰まりを起こしたときには、ヘッドをほぼ全バラシしなきゃでした。2つ目の理由は、TPUフィラメントを印刷する機会が少なくなったからです。もともとコロナ用に調達したTPUフィラメントですので、用途の無くなった今は手持ちのTPUフィラメントも切れました。今手持ちフィラメントのPLAやPETG/ABSならボーデン式で充分で、むしろ...

それをやはり再びダイレクト化することにしました。

ボーデン式とダイレクト式の違いは、前回のダイレクト化記事に投稿させていただいた通りです。

3DプリンタのEnder3をダイレクト化・オートレベリング化
2年前に購入した3Dプリンタ、Ender3。購入当初からやってみたかったカスタムダイレクト化を、この度ようやく2年越しで実現することが出来ました。3Dプリンタのダイレクト化とは?フィラメントを加熱したホットエンドを通し溶融させて押し出し積上げる「熱溶解積層(FDM)方式」な3Dプリンタには、 フィラメントを押し出す押出機「エキストルーダ」と フィラメントを熱して溶かす「ホットエンド」の位置関係次第で、次の2つのタイプに分類されます。ボーデン式ボーデン式とは、エキストルーダの位置がホットエンドから離れているタ...

先月元のボーデンに戻した理由は、主に整備性でした。
何かしらの理由でノズルからフィラメントが送出されず詰まったら、ダイレクト式にしてたころはその都度ばらすのが大変だったので。

ボーデン式に戻して以来、フィラメントの送出不良に悩まされることはなくなりました。
マザーボード以外ほぼ純正のボーデン式に戻し、改めてこれまでの送出不良の原因についてじっくり検証すると

💡もしかして交換したエキストルーダ用パンケーキモーターのトルク不足もあるのでは?

という可能性に思い至りました。
そこで今度は、モーターなど純正部品を活かしたり整備性を確保しつつ、再度ダイレクト化してみた、という次第です。

セッティングの内訳はこの通りです。

純正今回のダイレクト化前回のダイレクト化
モーターマウント純正位置通販購入3D出力
モーター純正パンケーキ
エキストルーダ純正Titan
ホットエンド純正MK8E3DV6
タッチセンサー3DTouch

前回のダイレクト化で使ってたTitanエキストルーダと今回入手したモーターマウント以外は、全て純正で組みました。
同じダイレクト化でも前回と一致する箇所はエキストルーダだけです。

モーターマウントはこちらをAliExpressで買いました。

Ender 3 ダイレクトドライブアップグレード変換ブラケット Ender 3 V2 Pro Cr10 3D プリンタ用 B-MG&デュアルギア&ボーデン Titan エクストルーダー用 - AliExpress 7
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ホイール付きで1,565円。

このマウントを入手した理由は、今回のダイレクト化では

  • フィラメント送出不良改善のためトルクフルな純正モーターを載せる
  • バラさなくてもホットエンドが外から視れる

という狙いです。

ホットエンドも純正MK8に戻しています。

前回のダイレクト化でのノズル詰まりは、別にE3DV6ホットエンドに問題があったわけではないと思います。
でも何かあったときにヘッド部を全バラシしなくてもホットエンドが外から視れるこのモーターマウントが、純正MK8ホットエンド用だったので。

タッチセンサーによるオートレベリング化の復活は、今回は見合わせました。

前回のダイレクト化では、一度ノズル詰まりを起こしたらその都度センサーのオフセット設定までやりなおしてたのも煩雑でした。
それよりはタッチセンサーに頼らず毎回でも手動レベリングするほうが直感的で脳が楽、かつ正確だと思ったので。

組んでみました。

重いモーターでヘッドの軽快性が損なわれるのでは?という自分の先入観は全く杞憂でした。
むしろエキストルーダモーターが正確になったことで、送出フィラメントがプロッターの描く文字のように正確にヒートベッドに刻まれていきました。
そもそもX軸の重さだけ気にしたってしょうがない、Y軸だって重いヒートベッドを細かく動かしてたんだし、ということに漸く気付けました。

PLA印刷は余裕。

ファンシュラウドを印刷してるところです。

eB Fan shroud for Ender 3 / CR10. Prints w/o supports. Reverse flow cooling. by gibbed
This is a fan shroud I designed for my Ender 3. It will work on Ender 3 and CR10 series printers.It is meant to be printed in PETG or ABS. The cooling fan for the hot end is reverse flow, pulling hot air up and away from the part. The part cooling fan is a...

このファンシュラウドで

  • ホットエンドが外から視れる
  • ヘッドを少し軽くする
  • ファンのエアフロ―効率改善

を狙いましたが、とても上手く行きました。

ダイレクト化でTPU印刷も改善。

残ったTPUでスマホケースを印刷してます。
糸を引く様子はありません。

これだけ上手く印刷できるようになったなら、今後TPU買い足しても良いかと思えました。
コロナが終わってマスク需要もない今のところ、TPUの用途はスマホケースぐらいしか思いつかないんですが。

ノズル付近に溜まりがちだったPETGも改善。

定着の悪いPETGは印刷最初が肝心なんですが、印刷中にノズル付近が見えやすいとトラブルを未然に防ぐことができるようになりました。
一層目の印刷だけ注視してれば綺麗な出力になります。

今回の純正に近いセッティングでのダイレクト化は成功です。

ホットエンドの整備性が改善されたことで、フィラメント送出不良時に何が起きているのか正体を、すぐ突き止めることが出来ました。
主な原因はこちらで間違いないかと。
最終的にモーターのトルクは関係なかったです。

プリント途中でエクストルーダーの押し出しが止まる現象(ヒートクリープ) | Prusa Knowledge Base
プリンタが突然フィラメントを押し出さなくなったのに、エラーの報告もなくプリンタがプリント動作を続ける場合、ヒートクリープの被害を受けている可能性があります。 どのように見えるか? 大雑把に言うと、ヒーターブロックより上のホットエンドの部分が熱くなりすぎることをヒートクリープと呼びます。通常の場合、フィラメントはノズルのすぐ上で溶け始めます。しかし、ヒートブレイクが熱くなりすぎると、熱はホットエンド全体に不規則に上方に膨張し、フィラメントはホットエンド内の高い位置で軟化し始め、目詰まりを引き起こ…

ホットエンドのヒートブレイクをバイメタルに交換

フィラメント送出不良時にノズルを分解したら、ホットエンド内PTFEチューブの先端でフィラメントが太って固まってました。

そこでMK8ホットエンドのヒートブレイクを交換することにしました。
購入したのはこちらです。

バイメタル CR10 ヒートブレークチタン合金ヒートブレークスロート 1.75 ミリメートル銅メッキチューブエンダー 3 CR-10 ホットエンド 3D プリンタ - AliExpress 7
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バイメタルヒートブレイクを組付けてみました。

フィラメント送出不良が収束し、綺麗に印刷できるフィラメント種を増やすことが出来ました。

フィラメント送出不良にはモーターのトルクは関係ないことが分かったので、エクストルーダのモーターはそのうちパンケーキに戻すかもしれません。

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