先日、メルカリがプロジェクトXで採り上げられているのを視ました。
そのプロジェクトXでは、創業してしばらく後に頻発した不正出品への対応への尽力、そして米国進出が商業的に上手くいかないことが失敗のような論調が主で、番組の視点は既存の価値観の延長線上のように見えました。
個人的にメルカリのコアコンピテンシーってそんなことじゃないと思っています。
私はヤフオクは500/メルカリは150ほどの取引経験があり、共に売り買い半々です。
普段からメルカリでの取引を通じて、日ごろからメルカリからは個人間取引のプラットフォーマーとしての矜持というか信念を、私は勝手に感じています。
それは、単に手数料収入を得るというような短絡的な数字じゃない、個人間の取引で実現しようとする「メルカリの信念」です。
メルカリは
「貨幣経済の難易度を下げて金融依存を減らしたい、たとえば極端には物々交換経済のような社会」
のようなものを目指してるんじゃないか、と勝手に推察しています。
以前も記事にしましたが、
メルカリはクレジットカード事業に参入してます
クレカ事業に参入したといっても、ただイシュアとしてカードを発行するだけではありません。
普段からユーザーはメルカリ内での取引を通じ、出品者も落札者も個人評価されます。
そのメルカリ内での評価実績を、カード発行の与信にも組み入れているんだそうです。
このような与信は、金融取引が多かったか或いは金融事故があったかどうか、というような既存の貨幣経済内での判断だけではなく、細々とでも自分の手持ちのモノを正直に売買しているということもメルカリは評価して信用を提供する、ということになります。
さらにメルカリは、取引アプリ内で
タイミーのような短期労働をマッチングする機能を追加
しました。
はたらくボタンを、アプリトップの出品や支払いと同列の位置に配置しました。
「もしお金が必要なときには、モノを切り売りするだけじゃない選択肢もあるよ」というように労働の意味を喚起させてくれます。
私はこのようなメルカリの事業の狙いは、先月政変のあったバングラデシュのグラミン銀行のようなマイクロ金融
なのではないか、と想像しています。
このようなカード事業や労働マッチング事業は、個人間取引市場主事業のメルカリとは一見関係は薄そうに思えます。
しかしメルカリは、個人間取引にニーズのあるユーザーの本質を掘り下げた結果「貨幣経済の難易度を下げて依存を減らしたい」を実現しようとする過程で、社会の特に若者が貧困化しないように、カード事業や労働マッチング事業への進出を企図したと推察しています。
カード事業や労働マッチング事業は、そのようなマイクロ金融に取り組むメルカリのプラットフォーマーぶりが表れている重要なポイントだと思っています。
引き続きメルカリ利用で応援していきます。
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