剃刀

Badgerブラシのブレークインをいろいろ試行錯誤

この記事は約6分で読めます。

突然ですが、シェービングブラシは毛の種類で次の3つに大別されます。

  1. Badger(アナグマ毛)
  2. Boar(豚毛)
  3. Synthetic(合成繊維)

私は3のSyntheticブラシから使い始めました。
ブラシが複数になった今はSyntheticと2のBoarブラシをそれぞれ複数使い分けてます。

なぜこんな話かというと、この度ついに1のBadgerブラシを入手したからです(上の写真の真ん中)。

Attention Required! | Cloudflare

Badgerブラシの質を表す階級でみると、このブラシはPure Badgerと低ランクです。
しかし上記のとおり日本円換算で1,600円と、Badgerにしては極めて安価でした。

Badgerブラシは「獣臭い」と聞いていたので、覚悟して開封しました。
しかしパッケージ開封時は意外にも、全く匂いませんでした。
このとき「何だ別に大したことないじゃん」と匂いを甘く見てしまいました。

この晩は珍しく夜にひげを剃る日だったこともあり、

さっそくこのブラシを使ってみることにしました。

シェービングブラシは使用前には、毛を柔らかくするためにいつも5分ほどぬるま湯につけてから使っています。
この日もこの鉄則通り、シャワーを浴びてる間はこのBadgerブラシをぬるま湯につけていました。

ぬるま湯で適度に湿ったBadger、使う前にもう一度匂いを嗅いでみると…

そこには確かに野性味溢れたアナグマが1匹存在しました。

この獣臭がシェービングソープに移るのは避けたいので、この日のシェービングにこのBadgerを使うのはやめました。

ここからがこの獣臭を何とかする試行錯誤のはじまりです。

ブレークイン1 – 石鹸水と冷蔵庫

ブラシが届いたその日の夜。

ブレークインの最初に、このBadgerブラシで石鹸水をラザリングしてみました。
しかし全く泡立ちません。

この日は結局石鹸水にBadgerブラシを浸け、そのまま冷蔵庫に一晩置いて終わりました。

翌日は早朝から県外出張につき帰宅は深夜になりましたので、石鹸水浸けは結局一昼夜にわたり放置しました。

深夜に帰宅後さっそく石鹸水から引き揚げ、一度すすいで再度匂いを嗅いでみました。
まだアナグマはそこにいました。

ここでもう一度石鹸でラサリングしてみました。
またしても泡立ちません。毛の油分はいまだ多いようです。

すでに1昼夜浸かったままだったこともあり、ここでは一度すすいだだけであとは軽くふいて吊り下げ、明日までは乾かすことにしました。

ブレークイン2 – シャンプーしながら考えてみた

翌朝起きてすぐこのブラシの匂いを嗅いでみました。
この時点ではブラシが乾燥していたからか、匂いはしませんでした。

湿らせたBadgerの匂いを確かめたく、その後シャワーを浴びながら、このブラシをぬるま湯に浸けました。
そして再度匂いを嗅ぐと、

ぬるま湯に浸かったBadgerブラシの向こうには、やはりまだアナグマが存在していました。

しかしこの日のアナグマは昨日と違って、なんだかこの匂いがするブラシが可愛く思える程度の愛嬌を感じるほどでした。
まるで後ろ向きのアナグマを両手で抱え、背中の匂いを嗅いでいるような錯覚に陥りました。

恐らく、自分が慣れてきたから、そして一度乾かしたことで匂いが弱まってきたから、ではないかと考えています。

そしてそんなアナグマの存在を身近に感じながら、自分のシャンプーをしてる間ずっと獣臭を何とかする方法を考えていました。

匂いの原因は毛の中の油分。
そしてこの2日間、普通の石鹸では匂いが除去されるまでに至らず。
とはいえ、香り付きのシェービングソープを匂い除去に使うのは勿体ない。
だったらシェービングソープの代わりに、獣の毛の油分を除去できるものはあれば御の字なんだけど。

ということをシャンプーしながら考えたのがよくなかったんでしょう。
「自分の頭も獣の毛」ということに気付いたことで、

シャンプーでラザリングする

というアホな発想が浮かびました。
そういえば人間だって動物だし。

アナグマをシャンプーすると思えば、人間のシャワーの温度がちょうど良いのではと思い、40度のお湯に浸け。

水を切ってシャンプーをボウルに入れました。

自分がシャンプーするように、アナグマへのシャンプーと思ってラザリング。

この日はこの泡をつけたまま、常温で放置し一晩置きました。

翌朝、泡をすすいで匂いを嗅いでみたら、ブラシにはまだ若干の獣臭はありました。しかしまるでこのアナグマが4日間でペットとして過ごした自分に慣れたかのように、不快に感じることはありませんでした。
その後、布団を干したら日の光の匂いがするのと同じように、ブラシも日光に当てて乾燥させました。

ブレークイン3 – ラザリングしたシェービングソープの泡

日光で乾燥させた翌朝。乾燥してると匂いは気になりません。

もし獣臭が気にならないレベルになっていたら、今日のシェービングにはこのBadgerブラシを使うつもりでした。

乾燥してると気にならない匂いも、毛を柔らかくするためにブラシをぬるま湯に浸けたら、やはりまだ残っていました。シェービングソープに匂いが移らないよう、今日もこのブラシをシェービングには使いませんでした。

しかしこの日の匂いはこれまでとは異質なもので、動物園の匂いのようでした。
これはシャンプーの香料の影響だと思います。
一方では慣れていたアナグマがいなくなろうとしているような一抹の寂しさのような複雑な心境でした。

別のブラシでシェービングしたあと、残った泡をふとBadgerブラシでラザリングしてみました。

ご覧の通りソープはほとんど残っていませんでしたので、泡は消えてしまいました。
しかし、さっき感じた異質な匂いがこの時点ではどこからもしないことに気が付きました。

そこで、すでに今日のシェービングを済ませたばかりですが、初めてシェービングソープでラザリングしてみました。

めっちゃすごい泡。
そして匂いもありません。

ブラシの匂いは毛が乾燥しているときは弱く、濡らすと強くなりますが、シェービングソープで使用中にはあまり気にならない程度まで下がることがわかりました。

本番運用

昨日も使い一日乾かしたブラシを、いよいよ本番で使います。
ブラシをぬるま湯に浸けたあと、匂いを確かめてみました。
今日の匂いは昨日よりさらに弱く、広大な牧場程度のものでした。
もう使用に支障はありません。

昨日と同様にシェービングソープでラザリングしてみました。
やはり匂いは感じません。

これでようやく初回のブレークインを完了としました。
あとはしばらく日光で乾燥させることにしました。

※後日追記

この1年半ほど後に、ラザリングが日常となった時期の後日談を、こちらで記事にしています。

剃刀に凝りだして3年強。今の自分のウェットシェービングは大体こんなやり方です
突然ですが、今の自分のシェービングのしかたについて書くことにします。 ここで紹介しようとするやり方は、決してこれが正しいとか間違ってるとかを論じたいのではありません。 自分がWEBでほかの人のやり方が紹介されているのを見たら参考になったので、ほかに参考にさ...

コメント