個人でひっそりと書いてるこの弊ブログで一番読んでいただいてるカテゴリは「剃刀」です。
剃刀だけでも70投稿以上記事にしてる私の沼っぷりの元凶は、剃刀カテゴリ最初の記事「センサーエクセル替刃のホルダ難民」に端を発してます。

既に10年以上前に廃番になったセンサーエクセルにもかかわらず、未だに絶賛発売中の替刃。
自分も学生時代から長年使ってたカミソリですし、高い評価に分かり味です。
このセンサーエクセルの「替刃は売ってても装着できるホルダーが無い」という難民問題。
解決方法は、いくつかの代替品の流用ならびに中古ホルダーの入手でした。
その詳細は4年前に投稿した通りです。

この記事に、なんとつい先日
ジレット公式新発売のホルダーにセンサーエクセルの替刃が装着可能
というコメントを下さった方がいました。
その新製品とは
「ジレット 剃り味+プラス」というカートリッジ剃刀です。
いつの間にかこのようなカートリッジ剃刀が発売されてたんですね。
昨年10月上旬の新発売だそうです。
さっそく注文してみました。

包装や価格は他のディスポ同様の割安感。
替刃を交換可能なカートリッジ剃刀であることを忘れそうなリーズナブルさです。
このディスポと見紛うジレット新製品が、センサーエクセルの規格を復活…!?
というワクワク感を抑えつつ、
「剃り味+プラス」を他のセンサーエクセル互換カミソリと比べてみました。
上から、
- VECTOR3
- 「剃り味+プラス」
- センサーエクセル純正中古ホルダー
です。

ホルダー重量は
- VECTOR3 19g
- 「剃り味+プラス」 15g
- センサーエクセル純正中古ホルダー 30g
と、ディスポ並みに軽量です。

続いて、それぞれの替刃を比べました。
左上がセンサーエクセル、右上から

- VECTOR3(と同品と比定しているカスタムプラス3)
- 「剃り味+プラス」
- カスタムプラススムース
です。
3つのカートリッジはご覧の通り、単なる色違いにしか見えないほど酷似しています。

カートリッジ裏面の形状を見ても、これら全てが相互に完全互換な雰囲気を示してます。
「剃り味+プラス」がセンサーエクセルとの完全互換を確認
それでは替刃を互いに取替えて試着してみます。
下が「剃り味+プラス」ホルダーにセンサーエクセル替刃を、上はセンサーエクセルに剃り味プラスの替刃を装着した様子です。

センサーエクセル替刃を装着可能なホルダーが、ついにGillette公式の手により日本市場でご用意されたことを確認できた瞬間。
晴れてセンサーエクセルホルダー難民問題がようやく解消されました。

それにしても「剃り味+プラス」ホルダーは、あたかもセンサーエクセルの替刃が装着されることを狙っていたかのような配色ですね。
「剃り味+プラス」ホルダーにセンサーエクセル替刃で剃ってみた
届いた翌日、さっそくセンサーエクセル替刃を装着した「剃り味+プラス」ホルダーで剃ってみました。
また2pass目を手持ちのVECTOR3ホルダーに入れ替えて、ホルダーの感触も比べてみました。

首振りヘッドは他のホルダー同様にフル可動し、すべての機能を果たしてます。
ただし、ホルダーの軽さによるものか、製作精度によるものか、ダイレクト感にはほんのわずかですが他のホルダーと差があると思いました。
我的ホルダダイレクト感ランキングでは、工具のようなダイレクト感のあったセンサーエクセル純正中古ホルダが至高です。
「剃り味+プラス」はVECTOR3よりはダイレクト感が低く、ディスポハンドルよりは高い、という
センサーエクセル純正中古ホルダ > VECTOR3 > 「剃り味+プラス」 > ディスポ「カスタムプラス3」or「カスタムプレミアム」
こんな印象を持ちました(個人の感想です)。
今後センサーエクセルの替刃を使いたいなら、剃り味プラスがあればディスポハンドルを流用する必要はなくなりました。
ジレット商法から脱却し、ウェットシェービングの本質へ
これまで多枚刃ハイエンド路線を突き進んできたあのジレットが、今回はセンサー規格という過去仕様への回帰でセンサー難民を救いました。
これはとても意義の深い、大きなジレットの転換点だと思います。

私は今後ジレット社は、この剃り味プラスの発売を契機に、日本市場でウェットシェービングの本質に向き合おうとする自負を感じました。
4年前の投稿にも書きましたが、ジレットは2019年に5枚刃Fusionから刃を減じた仕様の二枚刃カートリッジ剃刀「スキンガード」を発売していますが、今振り返るとこれはジレット社の市場調査だったのではないかと。
私が今回をジレットの転換点だと思う理由は次の2点です。
以下の点から、ジレット社のローエンドからハイエンドまでをオープンに担おうとする意図を感じるからです。
仕様差で作り出した障壁を逆に取り払う
「ジレット商法」という名が表すとおりこれまでジレット社は、Probak社とかかわったときから規格に差をつけることで参入障壁を作り、替刃で稼ぐという商法を1世紀にわたって確立してきました。
この消耗品の寡占で稼ぐビジネスモデル、今は「プリンタ商法」とも呼ばれますね。
このビジネスモデルは、両刃剃刀がカートリッジ剃刀に置き換わり2枚刃→3枚刃→5枚刃というように刃と時を重ねるにつれて装着仕様も変わってきた今に至るまで、継承されてきました。
そんななか今回新登場となるこの製品は、過去の装着仕様を復活させるという、日本市場ではジレット初の取組になります。
カートリッジとディスポの棲み分けを解消し、これまでのハイエンド化に逆行
またこの新製品によって、替刃交換式のカートリッジ剃刀をディスポの価格で実現したことで、ディスポとカートリッジ剃刀の垣根もなくなったように思えます。
私はディスポとは、刃の寿命と一緒にホルダー部分も廃棄するカートリッジ剃刀だと思っていました。
以前KAI KIIという、ディスポレザーのハンドルが交換共用できる良製品を使ったとき、

「確かに、剃れなくなったらハンドルごと捨てなきゃならないのはもったいない」と共感し、これってカートリッジ剃刀では?と思ったことがきっかけです。
そしてディスポの刃の持ちは一般的には短命なことについて、

既に昨年の記事でカスタムプラス3の替刃は長寿命だと感じていました。
上の記事のとおりもしカスタムプラス3替刃とVECTOR3替刃が同じものなら、他国ではカートリッジ扱いで売ってるほどの高品質なはずですので。
だとしても、なぜそんな高品質な替刃をジレットは敢えてディスポとしてロースペックに見せかけて売るのか、昨年時点ではわかりませんでした(ただ良いものが安いなら入手せずにはおけませんので、このようにカスタムプラス3の替刃は普段使いの替刃として大量にストックしています)。

剃り味プラスが発売された今振り返って、高品質な替刃を敢えてディスポとしてロースペックに見せかけた大人の事情を想像してみると、当時のジレットはカートリッジ剃刀カテゴリを「5枚刃を代表してハイエンドと位置づけるための、ローエンド製品との垣根」としてディスポと区分したかったからではないか、と推測しています。
今回の剃り味プラスもKAI KIIと同じように、ある意味ハンドルを交換共用するディスポともいえます。
しかし剃り味プラスが「替刃の持ちは既存ディスポの2.4倍」と謳っているように「ハンドルを共用し替刃は長持ち」なのでしたら、もはやカートリッジ剃刀。
剃り味プラスの位置づけは、Fusionその他ハイエンド品と本品の棲み分けを止め、これまでディスポで受け持っていたローエンドに向き合い始めた姿勢を表しているように見受けられます。
以上が、日本市場にとって「剃り味+プラス」はジレットのエポックメイキングな製品になると私が考えている理由です。
話は最初に戻りますが、もしこの製品が10年前にあったら私はおそらく本品を購入してセンサーエクセルを使い続けていたでしょう。
もしそうなら費用対効果を切り口に髭剃りに向き合う切っ掛けがないので、このように剃刀沼にははまってなかったかもしれません。
剃刀沼に乾杯。




























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