10月18日、宅建試験が終わりました。

学習を通じて得られた宅建の知識と、身に着けることが出来た学習習慣。
今までの自分だったら燃え尽き症候群で、試験を終えたら感慨に浸るかすべてを擲ち、 得たもの全てを風化させてしまうところでした。
でも「学習習慣」は、せっかく自分のお金で通った予備校で得た貴重な財産です。
この鉄を熱いうちに打ってみたくなりました。
宅建試験を終えた翌日から、12月6日までの1ヶ月半は
「管理業務主任者」の受験に独学で挑戦
することにし、出願しました。
なぜ「管理業務主任者」の受験を選んだか
管理業務主任者の出題範囲は、民法に加え、宅建業法・区分所有法・建築基準法など、宅建ですでに学んだ多くの科目が範囲です。
そして宅建と同じく、2時間50問の4肢択一マークシート式。
既に学習した知識と、身に着けた学習習慣の成果を活かそうとするなら、最も効率が良いのが管理業務主任者だと思ったからです。
なお管理業も私の本業とは全くの別業種になります。
学習計画
実は賃貸不動産経営管理士も出願
賃管士も密かに受験を企て、管理業務主任者を知る前に既に出願済の資格です。
賃管士の本試験日は11月15日。
12月6日が試験の管業はその3週間後と、非常に時期が近接してるので学習時間が限られます。
宅建受験後に策定した学習計画では、難易度が高く国家資格の管理業務主任者の学習のほうを優先した時間割としました。
また「管業と賃管の知識が混同しないように、管業の学習が一区切りするまで賃管の学習を開始しない」という方針で、管業学習の1周目を終了は、賃管士試験の1週間前にするという目標を定めました。
学習に向けて買った参考書・問題集など
インプット・アウトプットのためにそれぞれ
テキスト
項目別過去問題集
この2つを用意しました。
加えて、出来るだけ宅建学習時の予備校の環境に近づけることでインプット効率を高めたいと考え、
テキスト準拠DVD
講義動画も用意しました。
学習カリキュラムを策定
DVDのチャプターをもとに、全体を25時限とした計画を組みました。
このようなカリキュラムを自作することで、全体の概要を把握できます。
それが具体的にどのように役立つかというと、
- 科目全体を覚えることで全体の中の学習箇所の位置や相関を把握でき、科目間の混同を防ぐ
- 全体がわかると、1週間単位・1日単位でどれぐらい努力すればよいのかがわかる
これには予備校で学んだ学習計画の経験が役に立ちました。
上記カリキュラムの順番は、テキストとDVDチャプターの順番通りです。
この順番のうち、どこから手をつけようか?
先人の意見をネットで伺ったところ、お勧めは「区分所有法」「標準規約」「適正化法」などさまざまでした。
しかしいずれも共通していた意見は「民法はあとに回す」でした。
そこで宅建で既に学習済みの「民法」「借地借家法」を、インプットなしでまずは過去問だけやってみました。
すると宅建試験が終わってから2日後には1周し終え、6割ほど正解出来ました。
正式な管業のインプット学習は、DVDチャプターやテキストの順だと民法の次となる「区分所有法」から順当にスタートさせることにしました。
上記カリキュラムを民法の次から進めます。
各時限を、平日は1時限、休日は3~4時限のペースでこなすことにします。
宅建学習のときと同様に休日をメインにし、平日の学習時間は早朝です。
1周目(約3週間)
1周目は
テキストは何について、どんなことがどこに書かれているのか
さえ理解できればいい、というのを目標にします。
1時限の学習サイクル
当初の学習は
- 【インプット】DVDを視聴しながらテキスト通読
- 【アウトプット】当該科目の過去問を解答
のサイクルでスタートしてみました。
その結果、最初の「区分所有法」過去問の正答率は約4割。
記憶があまり定着してくれません。
科目 | 1周目 |
---|---|
1民法など | 62% |
2区分所有法 | 40% |
一問一答を予習に加える
そこで、テキストのインプットプロセスの前に予習を入れることにしました。
宅建学習時に予備校では、講義の前の予習として「一問一答形式の宿題」という学習習慣があったからです。
予習用として追加で買ったのは、
です。
この予習プロセスを加えたことで、1時限の学習サイクルは
予習 | 当該科目のテキストをさらっと流し読み(1ページ1分程度) 1問1答形式の当該問題を解答(意味不明ならテキスト見ながら) |
学習 | DVDを視聴しながらテキストを通読 |
復習 | 当該科目の過去問をテキストを見ずに解答 上記解答の見直しでテキスト引用 |
の3ステップとしました。
これで宅建予備校とほぼ同じ学習スケジュールです。
一問一答を予習に加えるようになった管理規約以降、過去問1周目の正答率は
科目 | 1周目 |
---|---|
1民法など | 62% |
2区分所有法 | 40% |
3管理規約 | 62% |
4適正化法 | 75% |
5委託契約書 | 67% |
と向上しました。
1周回り終えることが出来ればこの模試を自宅受講しようと
事前に申し込みを済ませました。
ここまで宅建試験終了後から約2週間。
賃管士学習を脇に置いたまま、ずっと管業の学習をモチベを何とか失わず進めていました。
管業学習を1周するまであと「会計」「基準法」「設備・維持」を残すのみとなりました。
当初の予定では、あと4日で上記3科目を終えれば「賃管士試験の1週間前に管業は1周」回り終えます。
仕事で問題が発生し、管業学習を中断
しかしそのタイミングで、本業で大きな問題が発生しました。
すべての学習はもちろんいったん中止。
本業の問題解決に工数を割くことにより、管業・賃管共に受験の見通しが立たなくなりました。
残念ですが一旦本年の受験断念を覚悟し、仕事の問題解決に専念することにしました。
問題解決に奔走した結果社外の方の支援を得たりなどで、学習を中止してからおよそ1週間で漸く学習を再開しても良い状況にまでリカバリーすることが出来ました。
学習計画をリスケジューリングし、遅れは一旦先送り
ただし学習が再開出来るとはいえ、両立を目指そうと短期集中の1ヶ月半で組んだ学習計画の1週間の遅れは致命的に見えました。
管業優先の学習時間を従前同様に確保したいなら、両立をはかり賃管士の学習に充てる予定だった5日間も全て管業に振り替えないといけません。
限られた時間「管業をとるか賃管をとるか」。
一度は管業と賃管2つの受験を共に断念したほどですから、それに比べればまだ片方が残るだけましです。
さて、もし管業学習から賃管士学習に切り替える際はいずれにせよ脳の切り替えを要するはずです。
この1週間管業学習を中断せざるを得なかったというアクシデントは、むしろ脳を賃管士学習に切り替える好機にしようと思いなおしました。
そこで、賃管士の5日は潰すことなく予定通り学習することに決め、積み残し分が生じた1週間分の管業の学習は一旦賃管士試験後まで先送りすることにしました。
これで管業学習の中断はおよそ2週間にわたることとなります。
約2週間の中断後、管業の学習を再開
5日を充てた賃管士学習は思いのほか進んで、1日早く4日で終わりました。
必死で空けた「賃管士試験前日」という1日には、管業の学習を再開し、設備を勉強することにしました。
このタイミングで管業学習を「設備」から再開したのは、翌日の賃管士試験の設備への相乗効果を図るためです。
これは翌11月15日の賃管士本試験に、想定以上の好影響を及ぼしました。
このときの賃管士学習と試験については後日別の記事にしています。

その賃管士受験後の翌日「管理組合の会計」、そのまた翌日は「建築基準法」を学習。
科目 | 1周目 |
---|---|
1民法など | 62% |
2区分所有法 | 40% |
3管理規約 | 62% |
4適正化法 | 75% |
5委託契約書 | 67% |
6会計 | 80% |
7基準法・設備 | 57% |
全体 | 61% |
そしてTACの自宅模試で1周目を終了しました。
模試の結果はこちらです。
科目 | 模試正答数 |
---|---|
1民法など | 2/8 |
2区分所有法 | 1/6 |
3管理規約 | 8/13 |
4適正化法 | 2/5 |
5委託契約書 | 1/3 |
6会計 | 2/3 |
7基準法・設備 | 9/12 |
全体 | 25/50 |
2週間中断する前に学習した科目の出来が良くないことが明らかです。
2周目(約2週間)
中断による1周目の積み残しの影響で、ここまでで既に管業の試験まで残り3週間を切ってしまいました。
2周目の学習方法は、
- 一問一答に解答
- テキスト併用でDVD視聴
- 過去問に解答
とほぼ1周目と同様です。
2周目はテキストの順番通り民法から始め、DVDは1.5~1.7倍速で流します。
過去問の解答速度が1周目より早くなっていることを期待します。
科目 | 1周目 | 2周目 |
---|---|---|
1民法など | 62% | 76% |
2区分所有法 | 40% | 72% |
3管理規約 | 62% | % |
4適正化法 | 75% | % |
5委託契約書 | 67% | % |
6会計 | 80% | % |
7基準法・設備 | 57% | % |
1周目から時間が空きましたが正答率に若干の伸びがあり、手ごたえを感じました。
再度学習を中断
2周目の学習成果に手応えを感じていたこのタイミングで、また仕事に別の大きな問題が発生しました。
前回学習を中断した時と比べると個人的ダメージはわずかです。
しかし既に一度リスケした学習計画には、もはや練り直す余力はなく予備日は1日もありません。
さらに毎夜遅く疲弊して帰宅してたので、学習時間である早朝に起床することが次第に困難になってきました。
学習時間として休日しか計算出来なくなったなかで、どのように工夫しどのように頑張っても、管業の学習は2周目の途中で試験日を迎えてしまうことが見えてきました。
既に1度「賃管を学習するか、管業を学習するか」の二択で前者を選んだことにより先送りとなった1週間分の管業学習の負担が、ここにきて重くのしかかってきています。
残された選択は「2周学習しただけで受験するか、しないか」です。
2周の学習で受験するメリットは、
- まぐれで合格してしまうかもしれない
- 出題内容の把握
- 試験会場の雰囲気の場慣れ
- 既に払っている受験料の有効利用
一方、受験しないメリットは
- ただでさえ限られている時間の確保
- 会場までの交通費2万ほどの節約
です。
受験するしないの最終判断は、管業受験の4日前となる宅建の合格発表日に持ち越すことにしました。
最終的に受験を断念
12月2日。
午前0時に宅建試験の合格基準点のツイートがありました。
その宅建の合格ラインを速報でツイートする住宅新報様が

このようなものを発行していることを知りました。
この解答速報号を利用すると、管業試験の「出題内容の把握」は出来ることがわかりました。
午前9時半、宅建は無事マークミスなどもなく合格できました。
宅建の合格を機に宅建のテキストや模試・その他書類を整理しながら、宅建の学習歴を振り返ってみました。宅建では過去問の正答率を9割程度に仕上げてから試験に臨んでいました。
また先月受験し高得点だった賃管士も、過去問を2周回した時期はわずか4日ですが、最終の正答率は約9割まで仕上がりました。
一方、管業の過去問は2周目でまだ7割程度。
これだと「まぐれで合格してしまうかもしれない」可能性はまずありません。
「試験会場の雰囲気の場慣れ」これについても、宅建と賃管士の受験で同様の経験をしていると見なすことが出来ます。
また既に払っている「受験料の有効利用」については、管業受験をスキップすると浮く交通費より少額です。
以上により、管理業務主任者試験の受験を今年は断念することに決めました。
社会人の場合、学習習慣を維持するためには「学習時間の確保」が最大のネックだということを改めて実感しました。
今回私は断念しましたが、もし宅建を受験した方で求職中などで時間にゆとりがあるなら、宅建受験後に管業を学習することをお勧めします。
また私も、このたび2周した管業の学習経験はいつの日か必ず活かすつもりです。
本年は断念しましたが、時間の確保が難しくてもロングスパンでの計画でいつの日かリベンジしようと思います。
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