このたび、団体旅行でしまなみ海道を訪れるという機会がやってきました。
絶好のチャンスとばかりに、自転車で走れないか企ててみます。
最初はレンタサイクルを利用できないかを調べました。
しかししまなみを訪れる予定の日は土曜日。レンタサイクルに予約を入れようとしても、出発予定地の今治本土ではwebで最初から「×満車」になってました。
そこで、しまなみには自分の愛車を飛行機輪行する方向で考えることにします。
飛行機輪行
飛行機輪行には、電車などでの普通の輪行と比べ、梱包に若干高いハードルがあります。
普通の輪行時の「前後輪を外して輪行袋に入れる」という段取りだけでなく、
- ペダルを外す
- リアディレイラーを外す
- チェーンを外す
- タイヤの空気を抜く
ということも求められます。
この手間が飛行機輪行を躊躇させますが、今回の飛行機輪行ではきちんと実施しました。
時間は飛んで、ここからの写真はすでに往路の輪行を終え、明日しまなみを走るという前夜の、今治のホテルでの風景です。
出発前の梱包時の写真を撮っていませんでしたので、代わりにホテルの部屋で輪行自転車を開梱する作業風景を紹介いたします。
なお今回宿泊したホテルは今治国際ホテルといいますが、ここでは自転車を部屋に持ち込むことが出来ました。
さすが今治。
外しておいたペダルを取り付け。
ペダルを外す理由は、全体のサイズを飛行機に乗せられる上限に抑えたいからです。
左側は逆ねじに注意。
使用スパナは、自動車車載用として軽量目的に開発された薄口のもので、一般のペダルレンチよりも軽量です。
外しておいたリアディレイラーを取り付け。
私は電車輪行時にはここまでは外しません。
しかし構造上この場所は突端となり、ダメージを食らう可能性が最も高い場所です。
ディレイラーハンガーが別ピースになっているフレームも多いくらいです。
飛行機の場合は自転車の管理を人に委ねるということもあり、ここを外しておき万一ダメージを食らってもフレームにまで及ぼす悪影響を最小限にするという狙いです。
外しておいたチェーンを取り付け。
リアディレイラーを外したらチェーンが緩みます。
チェーンを外した理由は、緩んだチェーンが養生から外れて飛び出し、周囲を汚す可能性をなくすためです。
コネクト部分はミッシングリンクです。簡単とは言いませんが通常のピンと比べて脱着の手間が減ります。
前後輪を据え付け。
この工程だけは飛行機以外の普通の輪行時にも行う作業です。
飛行機輪行をすると普通の輪行が手軽に感じられます。
抜いていたタイヤの空気を再注入。
機内は上空では加圧するとはいえ気圧が700hPa台まで下がりますので、タイヤ内の空気圧は相対的に高くなります。
相対的なタイヤ空気圧が適正範囲を超える状態になることを避けるため、事前に空気を抜いておいてました。
最後に輪行袋をたたみました。
開梱に要した時間はここまででおよそ1時間10分でした。
しまなみ海道
今回の団体旅行とは、仕事上最も重要なステークホルダー様を囲む親睦会が主催するものです。
従って最初は、そこで単独行動するという思いつきには親睦という趣旨に反すると思うと、すこし後ろめたさも感じていました。
しかし、生涯もう二度としまなみを走ることはないかも知れないと思うと、気が引けつつも旅行申込書にはつい、しまなみでは単独行動したい旨を付記しました。
他にもさまざまな機会で根回しというか自転車で走る予告をしたところ、皆様からは意外にも好意的な反応が返ってきました。
そのおかげで「団体旅行中にしまなみ海道を走る」という企てを無事実行に移すことが出来ました。
今回の行程は、「今治国際ホテル」を出発し、観光にツアーバスが停車する予定のある中で最遠の場所である生口島の「平山郁夫美術館」をゴールとしました。
単独行動で既に無理を聞いてもらっており、足手まといにならないことを最優先にしました。
もし時間がありそうでしたら、大三島の温浴施設+高根島一周を組み入れようと思います。
今治本土
当日の朝。
5時に目が覚めました。
写真は今治国際ホテルの部屋で、自転車+しまなみ海道方向の景色です。
大変贅沢な朝の時間に、ついモチベが上がります。
コンビニで買いこんでいた物資。
ここでちょっとした問題発生。
タイヤの空気を追加で注入中に、フレンチバルブのボルト先端が折れてしまいました。
タイヤがパンクするレベルのことは想定して来ましたので、このぐらいの不確実性は「折れたなら却って深く押さなきゃ空気は漏れないだろうし、終点まで保てばいいや」程度のことと捉えることにしました。
ホテルを出発。
ツアーバスに大荷物を預けました。
ツアーバスがサポートカーのごとく荷物を預かってくれる、というのは今回最大の贅沢です。
大げさな出発にならないよう、団体旅行の皆様が集まるよりも若干早くホテルを発ちました。
糸山方面にしばらく走るとこのように親切な案内があらわれ、しまなみ海道の始まりです。
道中ずっとこのようにブルーラインが描かれています。
いよいよ「来島海峡大橋」を上ります!
こんな道があるとは…天国に向かってるようです。
大島
来島海峡大橋を渡りきると大島です。
料金所に、自転車無料期間の案内がありました。
事前に買い込んだ飲料水はすでにつき、大島のコンビニで経口補水液を追加。
途中若干の峠を超えました。
海沿いが気持ちいいです。
次の橋「伯方大島大橋」が見えてきました。
伯方島
伯方大島大橋をわたります。
伯方島の造船風景。
伯方島は一瞬で通り過ぎました。
大三島
大三島橋です。
大三島に入ると、すぐ次の多々羅大橋が目に入ります。
多々羅しまなみ公園にある「サイクリストの聖地碑」で、一応記念写真。
もうすぐゴールで団体旅行と合流するので身支度のため、温浴施設に向かっていたら…
ここで偶然団体旅行バスが追い抜き、気づいてくれました!
後で聞いたんですが、朝の出発前に荷物を預けた際の私の衣装をバスガイドさんが覚えててくれて、私に気が付くことが出来たんだそうです。
手を振ったらバスが停車したので、安否確認で顔を出すために中に入ったら、盛大な拍手を戴きました!
まだ40キロも走ってないのに応援してくれて私も嬉しかったんですが、この遭遇でバスが思ったより速く進んできたのを知りました。
私は大三島の温浴施設に向かうのを取りやめ、生口島に向かうことに切り替えました。
生口島
多々羅大橋を降りているところです。
レース専用コースを思わせる沿線のバナー群です。
降りてきた多々羅大橋を望む方向です。
瀬戸田サンセットビーチというところに寄ったら、
行きそびれた温浴施設の代わりになりそうな、コインシャワーを発見しました。
「ぬるいですよ」と言われましたが、長距離走って汗だくの身には、ちょうどよい温度でした。
2分半で300円です。
さっぱりできたところで、そろそろゴールの平山郁夫美術館付近です。
時間があれば一周しようともくろんでいた高根島が見えます。
しまなみ全線ではありませんが、目的地の平山郁夫美術館に到着!
日差しも風も強くなく、非常に快適なサイクリングでした。
何といっても大荷物をバスが預かってくれるという環境が最大の贅沢でした。
橋前後の上り下りも、合計すると1000メートル近くになるんですね。
仕上げは腹ごしらえで、尾道ラーメンです。
このあと、観光案内所の一角をお借りして、飛行機輪行用の再梱包をおよそ1時間ほどかけて行いました。
その1時間ほどの間にも、たくさんのサイクリストが案内所の前を往来を行き交っていました。
また案内所にも断続的に3~4組ほどのレンタサイクル利用希望者の方が尋ね、レンタサイクルで繰り出していました。
ご親切な案内所の方、ありがとうございました。
おかげでほとんど退屈することなく、バスとの待ち合わせ時間を過ごせました。
コメント