ハードウェア電脳

LibreELECな古いHTPCでブルーレイが再生可能に。外付ドライブの円盤再生用「艦橋」という余生

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記事タイトルは決して「環境」の誤変換ではありません。
いつもは「母艦」「専用機」という言葉を当てはめそうな場面ですが、今回の場合に限り「艦橋」と呼んだ方がもっと相応しそうだったので。

このたび、久しぶりにPCカスタムネタで胸熱なエウレーカ体験が出来ました。

10年ほど前にヤフオクでたまたま見かけ、Arduino unoよりも安く落札できた新同品の

ベアボーンPC、ZOTAC HD-ID11。

製品の世代としては15年前ほどのものとなります。
CPUはIntel Atom D510というロースペックさから、入手してから用途はずっと迷走していました。

そのうち1年前にLibreELECというメディアセンターLinuxOSを導入したことで、ようやくHTPCという役割を与えることが出来ました。

ZOTAC HD-ID11にLibreELECをインストールしてHTPCに
「今となっては非力なPCをよみがえらせる」シリーズです。Intel Atomという超非力なCPUを搭載したデスクトップベアボーンPC、HD-ID11を持ってます。CPUIntel Atom D510 1.66GHzGPUNVIDIA ION graphics DDR3 512MBメモリDDR2-800 4GSSD/HDDSATA 2.5 30G過去にはWindows10でHTPCに。そのWin10では遅すぎていったん退蔵し、後にサーバー用途でOctoPrintで3Dプリントサーバに。3Dプリントサーバ自体の…

上の去年の記事にも書きましたが、このもっさりなHD-ID11、実は

低消費電力でGPUや光デジタル出力端子を備え、メディア特化型で軽量なOSのLibreELECとはとても良い相性

です。

HD-ID11のLibreELECによるAmazonプライム再生は、音だけはChromecastやFireTV Stickに匹敵する、とても良い音です。
そして他の動画配信なら、音だけでなく映像も1080pがぬるぬる動きます。

この1年は動画再生のハブとして、ホームシアターに接続させていました。
ただ残念なことに、配信動画の再生役としてはChromecastやFire TV Stickの活躍の陰で、HD-ID11のLibreELECに出番はほぼありませんでした。

HDMIオーディオ分離器でレガシー規格ホームシアターが本領を発揮、その旋律に戦慄
弊宅には「Dolby Digital & DTS」という20年前の枯れた規格でのホームシアターがあります。上記に投稿したとおり、2年前に1万円弱のプロジェクター&自作したセンタースピーカーを加え、5chサラウンドホームシアターを構築しました。いや、構築した気になっていただけでした。つい先日、このホームシアターのサラウンドアンプに光デジタル端子がオンボードで備わるPCを接続して、アマプラを再生した日までは。その日の光デジタルでアンプ接続したPCからの映像体験は、画質はSDでしたが「音だけは凄く良かった」という…

もしこのHD-ID11で円盤が再生出来たら、とは多少潜在的に思ってたかも。

Blu-rayドライブなら2年前に外付けUSB接続を入手済みで、再生ソフトを用意すればWinPCではBlu-rayの再生が可能になってます。
今後もし円盤を買うことがあるならDVDじゃなくBlu-rayにする予定です。

ただ私はずっと、

Blu-rayの再生にはマシンパワーが必要だ、とずっと勘違い

していました。
それは、HD-ID11よりはるかに高性能な他の自作PCでも、DVD再生が遅かったからです。

でも実は、その別のもっと高性能な自作PCでのDVD再生が遅いわけは、その自作PCのDVDドライブに原因があったことが最近になって判明。

枯れた自作PCにLubuntu 26.04をインストール
手元にASUS M4A88TD-M EVOという、いまどきAM3マザーボードな自作PCがあります。Win11の対象ハードウェアの範疇じゃない以前に、この古さは充分骨董枠です。でも、昨年の秋にWin10のサポートが終了しましたが、実はそのときまでWin10で現役稼働してました。つまり退蔵し始めてまだ1年も経ってません。この自作PCは自分的には2番目の高性能、そしてリージョンフリーDVDドライブ内蔵の大事なPCだからです。今後もサブPCとして使い倒すため、Lubuntuをインストールしました。Lubuntuはu…

その自作PCはDVDドライブを新しいものに交換したら、DVD円盤再生性能が飛躍的に改善しました。

「マシンパワーが足りないと円盤再生は無理」が勘違いと分かったこの日まで、HD-ID11にはDVD再生を試してさえいませんでした。
でも、サブの自作PCがこれだけ劇改善するんだったら…

非力なHD-ID11でもLibreELECでならBlu-ray再生を試す価値はあるかも

と思い立ったきっかけになりました。

それまでは、グラボGT710が載ってるその自作PCをホームシアターの円盤再生に使えたらと考えてたぐらいだし、Blu-rayをメインのWinPC以外で再生させようとは考えも及ばなかったので。

前置きが長くなりましたが、まず

HD-ID11でDVD再生

を試しました。
LibreELECなHD-ID11に手持ちの外付けBlu-rayドライブを繋いでDVDを再生したら、何の設定も必要とせずぬるぬると再生出来てしまいました。

他のLinuxでも簡単とはいえDVD再生にはライブラリやCSSの導入作業はあったんですが、LibreELECは実にあっさりと実現。

もしやこれはBlu-rayでも、と期待して再生を試したら

HD-ID11でのBlu-ray再生は暗号化でダメ

でした。
公式wikiによれば

Blu-ray Playback | LibreELEC.wiki

翻訳すると、主旨はこういうことでした。

Linux向けの公式Blu-rayプレーヤーソフトウェアは存在しないが、オープンソースのライブラリではKodi(LibreELEC)がほとんどのBlu-rayディスクを一度再生できるようになっている

/storage/.config/aacs/KEYDB.cfg

既知の暗号化キーと証明書のフラットファイルデータベースが組み込まれています。米国におけるDMCA法に関する法的問題を回避するため、主要なデータベースを事前設定することはできません。そのため、自分でインストールする必要があります。

SSH経由でLibreELECデバイスに接続し、その後以下のコマンドを実行してください。

mkdir -p /storage/.config/aacs
curl -k -L http://fvonline-db.bplaced.net/fv_download.php?reduced -o /storage/.config/aacs/keydb.zip
unzip /storage/.config/aacs/keydb.zip -d /storage/.config/aacs/
mv /storage/.config/aacs/keydb.cfg /storage/.config/aacs/KEYDB.cfg
rm /storage/.config/aacs/keydb.zip

別のLinuxPCのコンソールから

このコマンドを実行するため、起動中のLibreELECマシンにリモートでSSH接続

しました。

ssh [email protected](←LibreELECマシンのIPアドレス)

フィンガープリントを確認されますので、yesと答えました。
するとパスワード入力画面になったので、libreelecと入力。

リモートでのSSH接続が完了したので、上記リンクのコマンドを一行ずつ実行していきました。
なお/storage/.config/aacsディレクトリは最初から存在してたので、2行目から進めました。

上記ディレクトリ内にはKEYDB.cfgも最初から入ってましたので、上記コマンドを開始する前と終了後で、KEYDB.cfgをviで開き、見比べました。
コマンド終了後のKEYDB.cfgにはたくさんの1バイト文字列が並んでいました。

コマンドを終了させ、リモートSSH接続を切断。

起動中のHD-ID11本体で動作を確認してみると、いつの間にかホーム画面には「📀ディスク」メニューが現れていました。

そのディスクメニューから再生をポチってみたら…

突如として1080pの高画質動画が始まりました!
突然かつあまりに澱みない再生ぶりに、最初はBlu-rayじゃない何か別の動画かと勘違いしたほどです。

手元にある2枚のBlu-rayディスクはいずれも再生できました。
遅延やフレーム落ちもなさそうで、今後円盤再生は全部、ホームシアターに接続されてる本機に任せることに決めました。

KEYDB.cfgを毎月更新する手間はあるし、新発売タイトルのaacsは反映まで時間がかかる仕組みです。
それでも、今後は円盤はBlu-rayでそろえることへの唯一の「再生環境」という懸念は、これで解消されました。

9月発売で既に予約してるBlu-ray円盤が1枚あり、その到着が今から楽しみになってきました。

KEYDB.cfgを毎月更新する手間をすこし省くため、シンボリックリンクでSDカードに退避させる

HD-ID11をオフライン運用する際に「KEYDB.cfg(AACS鍵)」の配置先を、シンボリックリンクを張り、スロットのSDカード内に移す手順をGeminiたんに訊ねてみました。
もしそんなことが出来たら、今後のKEYDB.cfgの更新作業は、SDカードを書き換えるだけで済みますので。

# 例: /var/media/SD_CARD のように表示される場所を確認します
df -h

# ここに KEYDB.cfg を配置
mkdir -p /var/media/SD_CARD/aacs/

# 既存のリンクやファイルがあれば念のため削除/退避
cp /storage/.config/aacs/KEYDB.cfg /var/media/SD_CARD/aacs/

# 本体の元ファイルを削除(退避済みのため安全です)
rm /storage/.config/aacs/KEYDB.cfg

# SDカード内のファイルへシンボリックリンクを作成
ln -s /var/media/SD_CARD/aacs/KEYDB.cfg /storage/.config/aacs/KEYDB.cfg

# リンクが正しく張られたか確認(矢印でSDカード側を指していれば成功です)
ls -l /storage/.config/aacs/

無事にKEYDB.cfgをSDに移し、シンボリックリンクでBDが再生されました。

続いて、このSDカードを取り外して別のDebianマシンで開き、新しいKEYDB.cfgをSDカードに上書きします。
これは非常に簡単で、上にあったこのサイトからzipをダウンロードして解凍し、

FindVUK Online Database

全てGUI作業で最新のKEYDB.cfgでSDを上書きが完了。
このSD内の新しいKEYDB.cfgで、BDの再生まで確認できました。

これで「SDカードへ鍵ファイルKEYDB.cfgを逃がして、シンボリックリンクで運用する」というアイデアが上手く行き、「HD-ID11のSSD本体環境は完全に保護された静的状態のまま、SDカード1枚で外界の最新鍵を取り込める」という、オフラインBD再生機としてこれ以上ないエレガントなシステムが完成しました。

本機のGPU「NVIDIA ION」はNVIDIAのプロプライエタリなLegacyドライバが供給されなくなっており、LibreELECでも最新バージョン以降はNvidiaGPUがサポートから外れました。
旧バージョンのLibreELECしか使えない本機は、そのうちオフラインで使わなければならない宿命だったので、今回のSDでの鍵ファイル更新運用はその対策となりました。

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