とてつもなくアンティークなカミソリを入手してしまいました。
ラザーキャッチャー型カミソリ「L’ESSOR CSCF Rasoir」です。
ラザーキャッチャーって?
替刃型の剃刀が普及する直前期に広まっていた、古い剃刀の一ジャンルです。
- ラザー(泡)キャッチャーの名の通り泡を掬う口が大きく開いた形
- そして薄い鉄板の替刃ではなく楔型の刃
が特徴です。
購入した品はハンドルだけ若干黒ずんでいましたが、黒ずみはクレンザー&歯ブラシですぐ落ちました。
もしかしてハンドルは銀製?
他もピカールでご覧の通りの輝きです。
「L’ESSOR CSCF Rasoir」検索したらこのような記事を書いてくださってるかたが。
ありがたき幸せ。
L’Essor
Chamber Syndicale Des Couteliers Detaillants Francais (Chamber Cutlery Retailers Union of France). Single edge wedge blade razor with hollow knurled handle, comb guard. A rod, threaded on the end, runs through handle and screws to hold the blade in place. Clips at side and back of head position blade with respect to guard. Marked L’ESSOR on back of lather-catcher, marked Bte.S.G.D.G on rear clip. Separate stropping handle. Nickel-plated.
折角同梱のウエッジ刃の状態が良好なので、実用に向けて
研いでみることにしました。
ウエッジ刃をストロップ用ハンドルに装着。
今回使用した天然砥石群です。
右から、
- 中砥の名倉用の伊予砥
- 【中砥】丹波青砥
- 【中仕上砥】対馬砥
- 【最終仕上砥】本山合砥浅黄
です。
刃線付近がわずかに錆びてたので中砥から研ぎ始めました。
ストロップ用ハンドルの刃背に絶縁テープを貼っているのは、砥石でハンドルまで摩耗しないように養生するためです。
最終仕上だけでも動画にしてみました。
素人技なんですがご覧下さると幸いです。
砥石での研ぎが終わったら革砥の出番です。
これで刃が付きました。
研いだウエッジ刃で剃ってみた
シェービングはアグレッシブでした。
しかしオープンコームがちゃんと作用してます。
「安全装置は飾りに過ぎず、ストレートレザーで剃ってるのと変わりない」というハイパーアグレッシブではありません。
ちゃんと安全剃刀してます。
SGDsを語る方はこれにすべきです
- 刃は研いで再利用
- でもオープンコームがついて安全剃刀
って実は最強じゃ?
もちろん
- 両刃カミソリ
- インジェクター
などの「金属部分だけを交換する替刃安全剃刀」も、カートリッジ式やディスポカミソリに比べるとプラスチックを使いませんので、SGDsを語る界隈のかたにとっては充分ロハスだとおもいます。
しかしウエッジ刃を研いで再利用するこのラザーキャッチャーは、そもそも捨てる替刃自体が存在しない構造ですから、究極のロハスですよね。
SGDsを語るかたには是非ラザーキャッチャーをお奨めしますよ。
GEM刃で剃る
ウエッジ刃を使用するラザーキャッチャーの一部は、替刃「GEM刃」を使える場合があります。
自分がウエットシェービングの世界に踏み込むきっかけとなった、ゆっくり神動画にも
その歴史が記されています。
さらにラザーキャッチャーを検索してたら、こんなに面白そうなサイトが…
ウエッジブレードの代わりにGEM刃をラザーキャッチャーで使うよう試行錯誤してる図です。
これらを見ると、手持ちのラザーキャッチャー「L’ESSOR CSCF Rasoir」は、刃止めが付いてるからGEM刃に置き換えても刃が飛び出る心配はありません。
また刃止めクリップは先の動画のように下から刃背を押し上げる構造になってます。
これはGEM刃を装着する際には、ウエッジ刃との刃厚の差を埋めるシムも不要かもしれない、ということになります。
GEM刃を装着してみました。
いきなりしっかりと固定されましたよ…
もちろんシム要らず。
剃ってみました。
普通に剃れました!
ウエッジ刃とほぼ同じ感触…
固定個所がリアとサイドしかなく、シェービング中に刃線がブレて不快になりそうな心配がありましたが、全くそんなことはありませんでした。
今後はGEM替刃を運用するホルダーとしてシェービングローテに食い込むレベルです。
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