楽天モバイルのサービスが開始されてからおよそ1か月半経った先日、「Rakuten UN-LIMIT」プランにMNPで申し込みしました。
楽天モバイルに申し込んだ理由
- 第4のMNO、かつRCSに準拠した規格で3キャリアに風穴を
- 先着300万人が1年間無料、そのうえ豊富なキャンペーン
- auのローミングの通信上限の条件を緩和
これらにより、エリア外の当地では対象外のはずの楽天モバイルが気になってきたからです。
第4のMNO、かつRCS準拠で3キャリア鼎立に風穴を
日本の携帯電話市場は、ドコモ・au・ソフトバンクというMNO3つの均衡状態が維持された環境が続いています。
諸外国を見ても、日本と同様の人口を抱えた市場がMNO3キャリアという国は特に珍しくもなく、このように安定した市場環境に新規参入しようとすることは相当ハードルが高いと想定されます。
それでも楽天は、第4のMNOとして参入します。
私個人は、既存モデルへの風穴となりうるような商品サービスにはついつい飛びついてしまいがちな性格です。
寡占が均衡し安定した状態だと、その均衡状態を維持することが目的化されてイノベーションが難しくなりますが、そういうのがなんかいやで、思わず新規参入側を支援したくなります。
例えば以前の
携帯電話の契約モデル
について考えてみます。
3大キャリア間では、新規+MNPにはキャッシュバックで新規獲得を重視する一方、
- 機種の割賦と相殺し残債を残すという見せかけの値引き
- また契約期間についても申し出のない期間満了は期間の定めの無い更新ではなく同じ期間経過するまではまた違約金の発生する再契約
というように、既存顧客を縛った商慣行がまかり通っていました。
この契約モデルが改善されたのは総務省のグッジョブですが、航空業界のLLC同様風穴を開けたのは格安SIMの登場がきっかけです。
我が家でも8枚のSIMを使ってますが3キャリアは1つだけであとはすべて格安SIMで、唯一の3大キャリアの1枚も本年で終わりです。
それでも、いまだに3キャリア寡占が解消されたとは言い難いと思っています。
「+メッセージ」の規格、RCS
このRCSとは、Rich Communication Servicesの文字通り、高機能なメッセージサービスの規格です。
iOSのiMessageやLINEのようなメッセージを、SMSのように電話番号に紐付けてやり取りするものです。
RCSという規格は、SMSやMMSのキャリアを超えた接続が進展しないなかで、LINEのようなメッセージアプリが成長するのを横目に見ながら誕生した、という背景があります。
日本でこのRCSに対応した最も早いものは、3大キャリアの提供する「+メッセージ」です。
しかし規格の主旨とは逆に、3大キャリアは「+メッセージ」をMVNOに解放しません。
思うに、3大キャリアが+メッセージを作った理由は、リッチメッセージをやり取りしたいユーザー利便性の向上を目的としたものではなく、
「RCSを使うなら3キャリア外からの使用をけん制し、メッセージアプリとキャリアが鼎立する現状を変更させないため」
と推察せぜるを得ません。
その結果いまだ「+メッセージ」はいまだに浸透しておらず、その状況を改善しようとする様子もみられません。
そのような中、Rakuten LinkがRCSに準拠しました。
そしてこのRakuten Link、くわしく見ると、なかなかの優れもののようです。
Wi-Fi Callingに対応しており、メッセージに加えて通話までWiFiを介して接続可能です。
050plusやSMARTalkのようなものだと思いますが、050番号ではなく携帯電話番号を使用したインターネット回線での音声通話は、このRakuten Linkが日本初です。
楽天モバイルがWi-Fi Callingに対応した理由は、他MNOに対するエリアの乏しさを補う意味合いがあると思います。
しかし過去にSMARTalkやSkypeOutを使っていた者である私には、十分このWi-Fi Callingに惹かれる動機があります。
なお余談ですがiPhoneはすでにWi-Fi Callingに対応しています。
先着300万人が1年間無料、そしてポイント還元キャンペーン
手持ちのSIMのうち、mineoで3か月お得キャンペーンで契約したSIMが1つ、今月からMNP手数料の対象から外れる13か月目になりました。
今回もしこのSIMを楽天にMNPした場合、移転後は
料金が1年間無料
が享受できますし、さらに今ならMNPに伴う事務手続き手数料相当分も
ポイントバックで差し引きゼロ
ですので、非常にお得です。
auのローミングの通信上限の条件を緩和
ここは、最寄りの楽天電波エリアから100km以上離れている田舎です。
従いまして、以下の投稿はすべてパートナーエリアでのインプレなことをご承知おきください。
12年前、今ではヤフーモバイルとなっているイーモバイルが携帯に進出した際は、そのイーモバのサービス開始日に入手したことがあります。
その12年前のイーモバイルがサービス開始した時、自宅・職場は何とか開始日までにはエリアになっていたおかげで、何の不便もなく使い倒すことができました。
今やそのイーモバイルもすでにソフトバンクに吸収されてますが。
今回楽天モバイルという「第4のMNO」という謳い文句で、自分的には本来なら人柱ウェルカムであるべき話題に対し最近まで深く気に留めていませんでした。
それは、どうせ田舎はエリア後回しになると予想してたからです。
たとえ1年無料だとしても、エリアが対象外だったら持ってる意味がないので。
しかし楽天モバイルは、4月にサービス正式スタートした際に「パートナーエリア」であるauローミング網の
データ容量を、当初2GB→5GBに増量
しました。その上
転送量上限も1Mbpsと大幅にスピードアップ。
これにより、楽天自体のエリアが地元をカバーしなくても、少なくとも現状と同等のサービスはauローミング網によって提供されることになります。
先ほどのRakuten Linkと相まって、もはや契約するのに何の問題もありません。
WEBで申し込み、契約
使用機種を選ぶ
機種を楽天モバイルのラインナップから選ぶのなら、せっかくなのでこの機会にコンパクトで話題のRakuten Miniを…とも考えました。
Rakuten Miniが本当に小さいんだったらほしいな、と思ってRakuten Miniの寸法を未だ現役で運用してる手持ちの初代iPhoneSEと比較してみました。
サイズ(高さ/幅/厚さ)(mm) | 重量 | ディスプレイ | |
---|---|---|---|
Rakuten Mini | 約106.2 x 約53.4 x 約8.6 | 約79g | 約3.6インチ / 1,280 × 720 |
iPhone SE(第1世代) | 123.8 x 58.6 x 7.6 | 113g | 4.0インチ / 1,136 × 640 |
高さで2cm近く小さいのは魅力だな…と考えましたが、改めてiPhone SEを眺めると、このコンパクトさで充分と思い直し、Rakuten MiniはやめSIMのみの契約とすることにしました。
現在私の手持ちSIMフリー機種は
- iPhone SE(初代) ← 13か月目のmineoSIMで使用中
- iPhone 6S ← 未使用
- ZenFone 5Q ← データ専用のmineoSIMで使用中
- ZenPad 7
の4つです。
このうち、楽天モバイルの通話アプリ「Rakuten Link」は5/24段階でまだiOSに対応していませんし、ZenPad7にRakuten Linkは最適化していません。
手持ちのSIMフリー機を使うなら、選択肢はおのずとZenFone5Qに限定されます。
今までZenFone5Qで使っているデータ専用SIMをiPhoneSEに移し、今回MNPするiPhoneSEのSIMの番号を今後ZenFone5Qで楽天モバイルにMNPして使う、という計画です。
申し込み
5月20日の深夜
以下から申し込みました。
その深夜のうちに「アップロードした本人確認書類、スキャンだとだめなので写真取り直してください」とのメールが届いていました。
翌5月21日
朝に写真を撮り直し、再申し込みを完了しました。
同日夜、製品発送完了のお知らせが届きました。
翌22日の晩
配送の追跡が最寄りのヤマトにて23日指定で保管中というステータスとなっていました。そこでヤマトに取りに行って受領完了しました。
最初の申し込みから受領完了までわずか42時間という、スピード配送でした。
同梱物はわりとシンプルでした。
ZenFone 5Qでの設定
SIMアクティベート
PC経由で、申し込みをした楽天モバイルのサイト「my楽天モバイル」から、画面の指示に従って転入の手続きを進めました。
並行して楽天のSIMをZenFone5Qに刺し、電源を入れました。
すると一瞬アンテナが立ち、Rakutenのキャリア表示があらわれました。
しかし喜びもつかの間、すぐアンテナが落ち電波を認識しなくなりました。
しかしAPN設定にはこのように楽天のAPNが自動で現れました。
ここで標準の電話アプリから
*#*#4636#*#*
を入力してLTE Onlyにし、機内モードオフ→機内モードオンにして電波をつかみなおしたところ、今度はアンテナが立ち続け、すぐ消えることはなくなりました。
いつしかPCから進めていた転入手続きも完了し、SIMアクティベートは完了したようです。
Wi-Fiを切ってデータ通信を試したところ、ブラウザによるサイト閲覧ができました。
Rakuten Linkアクティベート
ZenFone5Q上にインストールしたRakuten Linkにログインしてみます。
楽天アカウントでログイン完了後、携帯電話番号の認証に入りました。
これが曲者でした。
契約した楽天モバイルの番号でZenFone5Q上ではSMSを受信することができませんでした。
しかしここでは慌てません。
他機種に楽天モバイルSIMを移して認証SMSを受信し、ZenFone5Qの認証画面に入力すればいいことはwebで事前に知っていました。
そこでネット上ではSIM認識可能とされている、妻のiPhoneXRをちょっと拝借しました。
家族とはいえ他人のスマホです。長時間の拝借は差し控えなければいけません。
目の前でiPhoneXRのSIMを楽天に差し替えたところ、アンテナにはRakutenの表示。
そこでSMS認証コードをZenFone5Q上のRakuten Link認証画面から再送しました。
しかしiPhoneXRでもSMSは受信されません。
念のため他のスマホからもこの楽天SIM番号あてにSMSを送信しましたが、やはり受信されません。
iPhoneXRは妻に返却し、別の方法を講じることにしました。
iPhoneSEでの楽天モバイル設定
こちらのサイトが参考になりました。
を参考にして、手持ちのSIMフリーiPhoneSE(第一世代)を楽天SIMで使えるようにして見ました。
すると…
楽天をキャッチできるようになり、SMS受信も可能になりました。
この隙に、ZenFone5Q上のRakuten Link認証画面からSMS認証コードを再送。
これが無事iPhoneで受信することができました。
そのSMS認証コードを今度はZenFone5Q上のRakuten Linkの認証画面で手動入力したところ、無事認証が通り、今後ZenFone5QでRakuten Linkが使えるようになりました。
Rakuten Linkのすごさ
SIM回線を切ってRakuten Linkの前述のWi-Fi Callingを試してみました。
SIM回線を切ってWifiのみでも、Rakuten Linkの音声通話ができます。
ただし、Wi-Fi経由で発信すると相手方に非通知で表示されます。
おどろいたのは、mineoの他社SIM経由でRakuten Linkの音声通話を試したときです。
Rakuten LinkのアクティベーションしたときのままiPhoneに楽天SIMを残し、デュアルSIMであるZenFone5Qには他社simであるmineoデータSIMを残し、Rakuten Linkの音声通話を他社SIMで発信してみました。
すると、楽天SIMではないSIM経由でも、相手方にはRakuten Linkでアクティベートした番号が表示されました。
楽天SIMの収まり先を考える
楽天SIMは当初ZenFone5Qに入れるのが当然、と考えていました。
しかしRakuten Linkは、なんと他社SIMでも番号通知がされることが判明。
通話・SMSをすべてRakuten Linkで済ませれるんだったら、楽天のSIMをべつにZenFone5Qに戻さなくてもよくなります。
ZenFone5Qに楽天SIMを戻し、再起動の都度解除されるLTE Onlyを毎度再設定するのはめんどいな、と思っていたところですので、当面、このままiPhoneに入れっぱなしにして使おうと思います。
※その後Galaxy A7を追加購入しました。その記事は
です。
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