親指シフト電脳

親指シフト練習再開から約3年。富士通が親指シフトキーボードの販売終了へ

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3年前に親指シフト中断。キーボードを買って久しぶりに特訓再開
最後に親指シフトを記事にしたのはおよそ33か月前でした。 その33か月前から今日まで親指シフトはどうしてたか、というと、全く何もしてませんでした。 してないというか、出来ませんでした。 まず練習のために、自分の都合で毎日定期的に時間を確保することが出来なく...

前回最後に親指シフトの記事を投稿してから約3年。

富士通、親指シフトキーボードや関連商品を販売終了へ--サポートの終了も
富士通は5月19日、親指シフト関連商品の販売・サポートの終了を決定したと発表した。

本日富士通は、将来における

親指シフト関連商品の販売・サポートの終了を決定

したそうです。

残念なことに、いかに優れた機能・合理性・効率がよいものであっても、必ずしもトップシェアを得てデファクトスタンダードになる、とは限らないのが世の常です。
そのような例は古くはVHS対ベータのビデオテープ、むしろ最近だとメッセージアプリなど、身近に見る機会が多くなっているのではないでしょうか。
佳きもののほうが逆に短命である、と考えるほうが真理に近いのでは、と考えざるを得ないのがこの浮世です。

そのような中わたしが、機能や効率が良いものにも関わらずスタンダードにならなかった最たるものと思っているのは、この「親指シフト」です。

自分が親指シフトの使い手になった理由

さて、今でも親指シフトを使っている人のこれまでの経緯は、おそらく以下の3つの中のどれかだと思います。

  1. 「筋金入り親指シフター」
    以前のOASIS時代からの親指シフターのまま今でも使い続けている
  2. 「出戻り親指シフター」
    以前のOASIS時代は親指シフターだったが、職場環境の都合でいったんJISかなかローマ字入力に移籍。しかし何かのきっかけで元の入力方式を再び使うようになった
  3. 「新規参入親指シフター」
    もともとはJISかなかローマ字入力使いだったが、何らかのきっかけで新たに親指シフトの使い手になった

このなかではまず間違いなく、3のケース「新規参入親指シフター」が圧倒的に少ないはずです。
以前は一世を風靡したが今は風前の灯火となっているものに、新たに参入しようとする物好きは極めてまれだからです。
親指シフトを「カセットテープ」で置き換えると、きっとこのレアさがご理解いただけるかと存じます。

わたしは、この3番です。

未成年時に1年ほどJISかな入力で、それから25年ほどローマ字入力の使い手でした。
2級ワープロ技士なる資格も持っています。

なぜ、わざわざ廃れる規格の使い手になろうと考えたのか。

初めての親指シフトに挑戦!Jornada690を親指シフトの練習機に
一番長く使ったのに、今までは一度もここで話題にしないほど使い道がなくなった「Jornada690」。 まさかここでまた日の目を迎える日が来るとは… 先日、読書の効率についてWikipediaを調べていたら、私の興味が次のように遷移していきました。 表意文字...

ここに詳しく(くどく)書いてますが、文章を打つのに親指シフトが一番合理的だと思ったからです。

親指シフトの練習を開始したのは5年前。

その後しばらく特訓を続け、

前回の記事を書いた3年前、身の周りからローマ字入力を排除して自分のPCをすべて親指シフト仕様にし、親指シフトに専念することにしました。

それからこの3年間は、このブログはもちろん、仕事で長文のメールや文書にも全て親指シフトを使い、会社の基幹システムにもJapanist2003を導入してローマ字入力の使用を止めました。

その結果どうなったか。

親指シフトの使い手といえるようになった今の状態を言葉にすれば、

https://ja.wikipedia.org/wiki/親指シフト

ここに書いてある言葉が今の自分の状態を最も必要十分に表しています。

親指シフト規格での入力に習熟すると思考を中断しないタイピングが実現し、文章入力にほとんどストレスを感じなくなる。すると頭の中に浮かんだことが即座に画面上の文章になる、いわば「指がしゃべる」ような感覚を得られる。

打つスピード自体は、おそらくローマ字時代の5年前とおなじ、あるいはむしろ遅いかもしれません。

しかし明らかにローマ字入力時代と違うことは、

  • 文章を打つ際に画面しか見なくて済む
  • 頭の中で(どのキーを押す)という意識を持たなくて済む

この2点が実現できていることにより、打っている最中でも文書を打つということを特に意識することがないので、概念の形成や表現の捻出という文書作成のための思考に専念できています。
このことによって、文章を打つことによりストレスどころかむしろ爽快感を得られています。これは決して大げさではありません。
その結果は当ブログの記事量をはじめとし、仕事の成果などにも大きく表れています。
本当に親指シフトを練習して良かったと心から思っています。

富士通謹製品のディスコンによる親指シフト界への影響

富士通謹製の親指シフト関連商品がディスコンになったら今後の親指シフトの使い手が困るのかというと、そうでもないのかな、と思います。
私も基幹システム用PC以外はJapanistをインストールしていませんし、キーボードも基幹PC含め全てがJISキーボードです。
1枚だけは

3年前に買ったこのキーボードは、親指シフトの配列が表記されたJISキーボードですが、このキーボードを使うときでも鍵面をみることはありません。

このように、すでに親指シフト専用キーボードがなくてもJISキーボード環境でなんとかなるぐらい、今はエミュレーターが充実しています。
このことはかえって今回の富士通様謹製キーボードの終了を早める一因だったと思います。

そして一方、近い将来はスマートスピーカーなどをはじめとして、入力自体がキーボードに頼らなくても済むようになってくることが想定されます。

JISなど他のキーボードが廃れるまでは親指シフトは生き残ると思うし、ぜひ生き残ってほしいです。

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