今日戸外で作業してたら、通りがかりの人から「刃物研ぎませんか?」と尋ねられました。
いきなりだったのでちょっとびっくりして、「いや砥石に凝ってて自分で研いでるぐらいだから結構です」と素で断ってしまいました。
いったん断ってしばらく考えると
言っても人が研いでる様子ってリアルで見たことないな
と思い、その方の研ぎを見てみたくなってきました。
その方もしかするとまだ町内を回ってるかも知れないので探し回ったところ、すぐ近所に居ました。
見つけたその方を呼び止めて、
もし良ければ自分の勉強のために、研いでるところを見学したいので研いで貰えませんか?
とお願いしました。
お願いした刃物はこちらです。
3年近く前に自己流で研いだ剪定鋏です。
「他の宅からも依頼が入ったのでその後でもいいですか?」と言われたので、その後に研いで貰うことになりました。
約30分後、他の宅の依頼が終わったようなので、再度うちに来てもらいました。
そのときに、こちらの刃物も研いで貰えるか頼んでみました。
こちらも2年半前に研いだきりの肥後守。
小刃をつけようと思ってましたがそのままになってたものです。
なので小刃付けもお願いしました。
剪定ばさみは700円、肥後の守は500円でした。
自宅前で研いでいただいたので、
研ぐ工程をずっと見学出来ました。
作業を拝見することはご了承いただきましたが、遠慮して撮影を願い出ることは控えました。
研ぎ師の方が使っていた砥石
ほぼこのラインナップだと思います。
上の写真は私の砥石ですが、特に荒砥・仕上砥はおそらく完全に同じものです。
ただし研ぎ師の砥石はいずれも大きく研ぎ減っていました。
研ぎ歴を尋ねたら「50年」とおっしゃっていました。
剪定鋏
最初は剪定鋏から研いでいただきました。
研ぐまえの剪定鋏を見て「上手に研いでるね」と褒められましたが、これは私の研ぎ好きオーラに対してお気遣い下さったことと思慮してます。
両口スパナが出てきて一瞬で分解し、まずは切刃側からの作業でした。
荒砥の出番が多かったです。
刃こぼれが過ぎましたね…お手数をおかけします。
丸い切刃は円線刃を研ぐように回して研ぐのかと思いましたが、あたかも包丁のような研ぎ方でした。
ただし角度はかなり立てて、そのうえ軽い感じで研いでいました。
かえりの確認か指の腹でこまめに刃線をなぞっていました。
刃線の確認と研ぎの繰り返しののち、今度は爪が刃線に引っかかるかの確認になりました。
剃刀でもよくやるアレです。
刃側についで水平側ではかえりを取る工程のような軽い研ぎ方でした。
ここまでかなりの工数がかかってますが、ようやく完了したようです。
「切ってごらん」と渡され庭木を剪定したら、太い枝がパコっと切れました。
肥後守の小刃付け
両刃の肥後守、小刃をつけるなら自分は包丁のように両側からつけようとずっと思っていました(けど面倒なので未だにやってませんでした)が、どうするのか大きな関心を持って見てました。
すると…
片側だけを大きく起こし、剪定鋏同様の割と急な角度で立てて研いでました。
なるほど、片刃の小刃という手があったか…
これだと今後も気軽に研げます。
あと自分の肥後守の使い方(木の皮やケーブル被覆を剥がす)だと、この側の小刃付けは左利きの自分に都合がいいんだけど、小刃はこちら側に付けるというのが一般的なのでしょうか?
せっかく付けて貰った小刃、今後自分で研ぐときもこの状態を維持しようと思いました。
たいへん勉強になった点
- 少し研いではこまめに刃先を指の腹に当ててなぞっていました。かえりの確認かと思います。
- 爪の引っ掛かりの確認もこまめでした。余計に刃を研ぎ減らさない配慮かと思いました。
いずれも自分ではこれまで配慮してない点でした。
今後の参考にします。
授業料としてもお得な価格で、2つの刃物が即登板の臨戦態勢に。
これだから研ぎはやめられません。
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