クロスバイクのカンチブレーキをVブレーキに換装

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およそ2年ぶりとなる自転車記事です。

以前1度診させていただいたのに、自分の力不足でシフター・ブレーキレバー周りに手間取り、シフトワイヤーの交換にとどまりブレーキ調整まで至れなかったビンテージ自転車がありました。
その自転車を今回再度改めて整備出来る機会を頂きました。

ブリジストン・クロスロードCD/1

です。

今度はVブレーキ化も手掛けさせていただきますので、きちんと追い込みたく、しばらく自転車を預からせていただくことにしました。

分解洗浄

まずは自転車をひっくり返します。

タイヤを外しました。

スタンドもいったん外します。
このスタンドの銘がビンテージさを感じます。

ごつく見えるスタンドですが、アルミ製なのでかなりの軽量です。

チェーンリングも外しました。
中央のボルトを外しただけではチェーンリングは外れませんので、専用工具の出番です。


クランク外しです。
ボルトを外したチェーンリングにこの工具をねじ止め固定し、二重構造になっている中のボルトを回して押し込むことで相対的にチェーンリングが浮いてくる、という仕組みです。

ちょうど手元に8Sチェーン用のピンもありましたので、思いきってチェーンも外します。

チェーン外しも専用工具の出番です。

大体のトラブルは洗浄である程度解消します。


外したチェーンは、500mlペットポトルに入れておきます。
これも洗浄のためです。

これまでチェーンを洗浄する時には、中性洗剤かパーツクリーナーを使っていました。

今回メインにした洗剤はこちらです。

油汚れ用のマジックリンです。

この洗剤の効能に気づいたのは、中古カミソリの洗浄がきっかけでした。
炭素鋼のカミソリは水に触れるとすぐ錆び始めるので、洗浄することさえおっかなびっくりでした。

このマジックリンの「アルカリだから洗浄中の錆が出にくい」という特徴を、その錆びやすいカミソリの洗浄に活かしてました。
この度のチェーンリングもご覧の通り、綺麗さっぱりです。

ただし水洗いしたらもちろんすぐコンプレッサーのエアーで水分を飛ばして、すぐ油をひいてます。

結局、チェーンリング・チェーン・スプロケをこの洗剤で洗浄しました。

ペダル取り外し

両方のペダルにがたつきが出ていましたので外すことにしました。
どちらも同じ個所のリベット緩みでしたので、そのリベット共締めの樹脂パーツが外れたのかもと妄想。

ちょうど手元に以前しばらく使ってた中古ですが別の完成車純正のペダルがあったので、あとでそれに交換することにします。

リアディレイラー取り外し・グリスアップ

リアディレイラーを外します。

SHIMANO STXです。

手持ちのターニーと比べてみました。

これだけ小さいのに同様のキャパシティで正確な動作・そしてビンテージな外観が神々しいです。

パーツクリーナーで清掃後、調整ネジ、内側のばね、リベット部をグリスアップしました。

チェーンリングを外したので、BBが見えました。
ねじ切りのスクエアテーパー規格です。

BBも外してグリスアップしようとも考えましたが、慣れてる人でもなめることがある作業です。
軸はしっかり回ってくれてますので、BBは外さずパーツクリーナーで洗浄→表面のグリスアップを施すだけにしました。

ひたすら洗浄してて感じたことは、この個体は汚れはほぼ粘度の高い油だけ、そのおかげかBBやギア・ディレイラーまわりはきちんと保護され状態が良かった、ということです。
いずれも走行に重要な部分です。

写真の黒い突起はチェーン落ち防止プロテクターのはずですが、不思議な向きになってます。

緩んで回転したかもと妄想。
あとで取り付け直すので今はいったん外します。

外して清掃したシフトワイヤーガイドを再装着。

穴からBB内をグリスアップ、ワイヤーガイドにはシリコンを塗布しました。

カンチブレーキを取り外しました。

初回拝見した時はチドリ周りのワイヤーの錆が大きく、自分の力不足で調整のみにとどめた個所でした。

このカンチブレーキの代わりに

Vブレーキを装着します。

Vブレーキは制動力に優れる一方、いきなり効き始めるという特徴があります。
この急激さを和らげるために、シューをリムに対し少し斜めに固定する「トーイン」をします。
リムに輪ゴムを回してシューにわずかな角度をつけて固定してます。

続いて、ステムに取り付けられていますフロントカンチブレーキのアウターケーブル受けを外しました。
代わりに手持ちのスペーサーを装着。

ステムがNITTOです!
ビンテージですね。
MAX HEIGHTのラインで固定します。

組み立て

ブレーキレバーの装着

まず既存のレバーを外す前にグリップを外す必要があります。

グリップの外し方は、グリップ内に割りばしを差し込んでパーツクリーナーを吹く、という方法です。

グリップを外し、ブレーキレバーも取り外しました。
このとき留意したことは、フロントブレーキは右レバーだったということを覚えておくことです。

ようやく新しいレバーを取り付けます。

Vブレーキの引きしろは、キャリパーブレーキ・カンチブレーキと異なります。
この新しいレバーはVブレーキとカンチブレーキ両方に兼用できますが、デフォではキャリパー用の位置で固定されていましたので、Vブレーキ用の位置に変更します。
写真のねじ止めされている赤い留め具を外します。

ワイヤーのコマ固定具をCRからVの位置に移動して、先ほどの赤い留め具をねじ止めし固定します。

もしVブレーキからカンチブレーキに戻す場合、今度はこのコマ固定具をVからCRの位置に移動すれば、この新しいレバーはそのまま使用できます。


前後ブレーキレバーを装着し、配線を取り回し始めたところです。

配線の際、私はブレーキとシフトでアウターケーブルの色を変えてます。
見た目うるさいですが視認性向上のためです。

またアウターケーブル内には必ずシリコンスプレーを施してます。

外していたリアディレイラー、チェーンリングを取り付けます。

作業のゴールが見えてくると写真を忘れがちになりますが、この時スプロケの脱着清掃、ホイールの振れとりも行ってます。

チェーンを装着します。

洗浄したチェーンを装着するまえに、手持ちの新しめの8Sと長さを比べてみました。

若干伸びてるかもしれません。外周全体で2コマ程度の差が出ていました。

それならばと、手持ち8Sチェーンを装着しました。

その結果、シフトはリア側はビシバシとスプロケに決まるのですが、どうしてもフロントインナーだけがうまくチェーンにかみ合ってくれません。

結局洗浄した元のチェーンを取りつけることにしました。


チェーンのピンはさっき使ってしまったので、今度はミッシングリンクで装着しました。

先ほど外しておいたチェーン落ち防止プロテクターを適切な位置に取り付け直します。

なおチェーンを取り回したのちに、シフトワイヤーを仮止めし、シフトの調整を実施しています。
フロントも全段入るようになりました。
ただしアウターローやインナートップのクロスしたチェーンラインにするとうまくない場合が出てきます。

ワイヤーの初期伸びをとって配線の取り回しを終え、
良く錆びるVブレーキ調整ネジやディレイラー調整ネジの頭をグリスアップして、

完成です。

今回の作業で使った工具です。

上段が自転車専用の工具です。

今回使ったケミカル。

真ん中のジャーはデュラグリスです。
8年以上使ってますが、ようやく空になりそうです。

スプレー缶は、左からシリコンスプレー、オイルスプレー、パーツクリーナーです。
シリコンスプレーはワイヤーの滑り向上のためにアウターケーブル内の噴霧用。
オイルスプレーは固着して外れないボルト外しや、パーツクリーナーで落ちない汚れ落としなど、色々使っています。
固着対策として556は今は使っておらず、556→666→ラスペネと使用の変遷がありましたが、自転車だとどれもあまり出番がありません。

取り外した部品です。

廃棄となるワイヤー類などです。

少量ですみました。

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